眠りの悩みと疑問を解決！睡眠Q&A③

夢の神秘、その謎に迫る

眠りの中で体験する不可解な出来事、それが夢です。夢を頻繁に見る人もいれば、ほとんど見ない人もいます。夢とは一体何なのでしょうか？悪夢や正夢にはどんな意味があるのでしょうか？睡眠と夢の関係を探り、夢の神秘を解き明かします。

夢は現実の鏡。快適な睡眠への道

子供の頃に見た夢は楽しいものが多かったように思いますが、大人になると見る夢はしばしば不快なものに変わります。予期せぬ場所や人物が現れたり、まるで正夢のような体験をしたこともあるでしょう。夢はしばしば漠然とした占いのように捉えられがちですが、大脳生理学や心理学の観点から見ると、夢はもっと深い意味を持っています。睡眠カウンセラーの松田英子先生によると、「夢を見ることは、現実世界の問題を整理し、解決策を見つけようとする心の働きの表れです。ネガティブな夢であっても、それはより良く生きるための努力の証かもしれません」とのこと。夢は、その人の思考や性格、物事への取り組み方を反映しています。夢をどのように捉え、快適な睡眠につなげるか、その疑問を一緒に解明しましょう。

なぜ私たちは夢を見るのか？

A夢は、起きている間の情報が脳で処理される結果です。

「夢は、まるで自分だけの映画のようなもの。脳は、私たちの生涯の記憶を膨大な図書館に保管しているようなものです。これらの情報はすべて、私たちの脳内に存在します」。起きている間に得た様々な情報は、脳内に蓄積された記憶や感情と組み合わされて整理されます。これが、大脳生理学的には「夢」とされています。夢は単なる映像の流れではなく、脳が情報を処理するための手段とされる「夢の情報処理仮説」に基づいています。「私たちは、より良い明日を迎えるために、今日の経験から学び続けます。その学習に必要な記憶を整理する作業が、夢の中で行われているのです」。よく使われる情報は、アクセスしやすい記憶の棚に置かれるため、現実世界で気になる問題が夢に反映されやすいと言われています。

夢アンケート：あなたはどのくらい夢を見ますか？

• ほぼ毎日見る 20.3%
• ときどき見る 52.6%
• ほとんど見ない 16.1%
• まったく見ない 11.0%

睡眠中、いつ夢を見るのでしょう？

A物語性のある夢は、主にレム睡眠中に見られます。

睡眠には、脳と体が休息する「ノンレム睡眠」と、脳が活動的で体が休んでいる「レム睡眠」の2種類があります。夢は主に後者のレム睡眠中に見られることが多いです。「物語のような夢、感情が伴う夢はレム睡眠中に見られます。一方、浅いノンレム睡眠中に見る夢は、内容が断片的で、ぼんやりとした思考や視覚が主です。物語性の豊かな夢は少ないです」。夢の科学的研究は、レム睡眠の発見がきっかけで始まりました。レム睡眠中に起こされた人のほとんどが夢を見ていたことが判明しました。人は一晩に3～5回レム睡眠を経験し、その都度夢を見ることがあります。

夢の内容はどのように決まるのか？

A恋愛、仕事、日々の関心事。寝る前の経験が夢のきっかけになります。

「起きている時と眠っている時の脳活動は連続しており、夢はその人の世界観を反映します。20代から30代では、自己に関連するテーマ、例えば恋愛や職業の成功などが夢の中心になりがちです。」40代を過ぎると、自分自身よりも家族や周囲の人々、仕事の同僚など他者に関する夢が増えてきます。さらに年齢が上がると、自分の子供だけでなく、地域や世界の子供たちに関する夢を見るようになり、視野が広がっていくこともあります。「夢の内容は、就寝前に接した情報が大きな影響を与えます。スマートフォンでの会話、見たニュース、視聴した映像などが夢の材料になります。また、翌日の仕事を考えながら眠ると、遅刻する夢を見ることもありますが、気になる問題が解決されていれば、その日の夢には現れないこともあります。」遅刻の夢を見る人は、時間に対する責任感が強い人が多いです。逆に遅刻が多い人は、そのような夢を見ることが少ないかもしれません。

アンケート2: 夢の内容を覚えていますか？

• 覚えていない 18.3%
• 起きてすぐに覚えている 48.6%
• 翌日には忘れている 8.0%
• ずっと覚えている 12.6%
• 夢を見ない 10.3%
• その他 2.2%

なぜ不快な夢をよく見るのでしょうか？

A不安な夢は幸せな夢より記憶に残りやすいためです。

不快な夢は「不安夢」と「悪夢」に大別されます。前者は不快感を伴いますが、起床時間まで眠り続けることができる夢です。後者はその恐怖のために、眠りから覚めてしまう夢です。起きている時に感じるネガティブな感情が夢に影響を与え、問題解決や処理能力が低下すると、限界を超えた時にこれらの夢を見ることがあります。「一般的な夢のテーマとしては、追いかけられる、落ちる、間に合わないなどがあります。これらのネガティブな感情は記憶に残りやすく、逆に幸せな夢は記憶に残りにくい傾向があります。」実際に、恐怖や怒り、焦りなどの感情を伴う夢は、現実のリスクに備えるシミュレーションとしての役割もあるとされています。「過去には、追いかけられる夢は野生動物に襲われるリスクに備えるシミュレーションでした。現代では、仕事でのミスや人間関係の対立など、仕事や人間関係をスムーズに進めるためのシミュレーションとしての役割を果たしています。」

夢をよく見る人とあまり見ない人の違いは？

A夢は誰もが見ています。覚えているかどうかが違いです。

「夢をあまり見ない」と感じる人もいますが、実際にはほとんどの人がレム睡眠中に夢を見ています。一晩で3～5回の夢を見ることが一般的です。夢を見ること自体と、夢の内容を覚えていることは別問題です。つまり、夢をよく見る人は夢を覚えている人、あまり見ない人は夢を覚えていない人です。「夢は覚えるようには設計されていないとも言われています。夢を見ている時には、記憶を固定する化学物質の分泌が少ないため、覚えているとしても、起床直前のレム睡眠時に見た夢だけです。夢をよく覚える人は、自分の感情や心の動きに敏感で、心配性な人や創造的な人が多いです。逆に、あまり覚えていない人は、せっかちで現実的な生活を送るタイプが多いです。」不快な夢が記憶に残りやすいことを考えると、あまり夢を見ないという人は、幸せな夢や平穏な夢を見ている可能性があり、それらは記憶に残りにくいと言えます。

不快な夢を見ないための対策は？

A心の中での解決を図り、不快な夢に惑わされないようにしましょう。

夢の内容は、心の中で引っかかっている問題に関連していることが多いです。「例えば、恋人との別れ話が浮上した時、迷いがあるとネガティブな夢を見やすくなります。しかし、その感情が消え去れば、その人物は夢に現れなくなります。問題が解決していなくても、心の中で区切りをつけることで、不快な夢を見ることは減るでしょう。」夢自体に良いも悪いもないとされています。「物事が上手くいかないと感じると、上手くいかない夢を見ることがあります。心理学では、このような不安な夢を未来と結びつけることを「ネガティブな自己成就的予言」と呼びます。不快な夢を現実と結びつけず、夢はあくまで夢として捉え、現実では異なるアプローチを試すことが重要です。」夢での失敗を現実の行動に反映させると、成功の可能性を自ら低めることになります。夢を反面教師として活用しましょう。

素晴らしい夢の続きを見ることは可能ですか？

Aうとうととした浅い眠りに戻れば、夢の続きを見るチャンスがあります。

素敵な夢を見ている最中に突然目が覚めてしまうことはよくあります。そんな時、夢の続きを見たいと思うのは自然なことです。「目を完全に覚ましてしまうと、夢の続きを見るのは難しいでしょう。しかし、半覚醒状態で浅いノンレム睡眠や再びレム睡眠に入れば、夢の続きを見る可能性があります。ただし、深く眠りについてしまうと、次のレム睡眠で全く異なる夢を見ることになり、続きを見たい夢は忘れてしまうことが多いです。」二度寝を深くするよりは、目を閉じて夢の良い結末を想像し、イメージトレーニングをする方が良いかもしれません。

正夢を見た経験はありますか？それはどういうことなのでしょう？

A無意識下の情報が偶然にも現実と一致した場合があります。

夢に現れる情報は、すべて脳内に蓄積された記憶です。頻繁に使われる情報はアクセスしやすい場所にありますが、長い間使われていない古い記憶も存在します。それが突然夢に現れた時、なぜそのような夢を見たのかと不思議に思うことがあります。「また、意識的に認識している記憶だけでなく、無意識下で受け取った情報も多く含まれています。これらが混ざり合った夢は、思い出せないけれどもどこか懐かしく、既視感を引き起こすことがあります。正夢も、見た夢と現実が偶然に一致したものです。一致しなければ忘れ去られますが、一致したために記憶に残るのです。」

今夜の夢をコントロールする4つのステップ

現実の悩みが夢に反映されることが多いです。まずは悩みをノートに書き出し整理しましょう。次に、見たい夢をできるだけ具体的にイメージします。そして、その内容に合った雑誌の写真や好きな音楽、心地よいアロマなどの外部刺激を利用します。夢を覚えておくためには、起きた直後に内容をメモすることが大切です。また、他人にその夢を話してみるのも良いでしょう。

STEP1 悩みや不安を取り除く。

STEP2 寝る前に夢の内容を具体的にイメージする。

STEP3 外部からの刺激を活用する。

STEP4 起きたらすぐに夢を記憶に留める。